2002.8  
       
  プレストレストコンクリート工事コウジ仕様書シヨウショ     仕様書の適用  本仕様書に記載されていない事項は、日本建築学会「プレストレストコンクリート設計施工基準・同解説」、「プレストレス鉄筋コンクリート(V種PC)構造設計・施工指針」および「建築工事標準仕様書 JASS 5」に依る。(本仕様書は、VSL協会提供)  
       
ショウ     コウモク        シヨウ                                                                            
                 
1 一 般イッパン 事 項ジコウ 1−1     5) 鉄筋テッキンデン溶接ヨウセツする場合バアイは、完全カンゼンなアースをとり電   3−5     d. グラウトを完全カンゼンジュウてんするためにシースのタカ  
適用テキヨウ範囲ハンイ ホン仕様書シヨウショホン工事コウジナイショちプレストレストコンクリ     溶接ヨウセツの悪影響がPC鋼材におよばないようにしなければ   プレストレスの 1) プレストレス導入ドウニュウ方式ホウシキならびに工法コウホウ        トコロ排気ハイキコウモウけてゆっくり注入チュウニュウし、シースナイ
  ート(以下PCという)工事コウジ適用テキヨウする。(タダし、アンボンドコウ       ならない。   導入ドウニュウ a. プレストレス導入方式ならびに工法コウホウはVSL工法コウホウ        クウ排出ハイシュツするするようにする。また、注入チュウニュウ途中トチュウ
  ホウには適用しない)            よる。        作業をイチジ中断チュウダンすることは、ソラスキヘイそくトウ  
    3−3     b. PCコウボウなどVSL工法コウホウではない場合バアイは、その導入ドウニュウ        生じる原因ゲンインとなるので注意チュウイする。  
1−2   PC鋼材の配置ハイチ 1) PC鋼材の配置は、設計図セッケイズモト係員カカリイン承認ショウニンウケけた        方式ホウシキおよび工法コウホウを定め係員の承認ショウニンける。       e.グラウトは、カタタンから注入チュウニュウオコナい、ギャクタンから排出ハイシュツ  
施工セコウ要領ヨウリョウショ ホン工事コウジ先立サキダち、ホン仕様書シヨウショオヨ設計セッケイモト施工セコウ要領ヨウリョウ     施工図によりオコナないコンクリートみのサイ移動イドウ     2) 緊張キンチョウ装置ソウチ 4   トッキ    ジコウ    るまで連続レンゾクしてオコナう。  
オヨ施工セコウ 書(施工順序、方法ホウホウ工程コウテイ材料ザイリョウカタわく、配線ハイセン、コンクリー     ないように固定する。     a. 緊張キンチョウには専用センヨウ装置ソウチモチいる。   f.グラウトの注入チュウニュウ作業サギョウでは、シースゴトに、注入チュウニュウ開始カイシ  
  ト打設、緊張、グラウト等についてショウサイキジュツ)オヨびPCケーブル     2) PC鋼材の加工カコウ組立クミタテオコナ場合バアイ加熱カネツあるいは溶接ヨウセツ     b. 荷重カジュウケイまたは圧力アツリョクケイ使用シヨウマエならびに長期間チョウキカン      フン終了シュウリョウフン所要ショヨウ時間ジカン記録キロクり、係員カカリイン  
  配線図等の施工図を作成し係員の承認ショウニンける。     行ってはならない。        使用する場合は適時テキジキャリプレーションをオコない      承認ショウニンける。  
      3) 設計図セッケイズ指示シジのない場合バアイのシース相互間ソウゴカンのあきは、        正常な状態にあるよう管理する。     g.注入チュウニュウ完了カンリョウしたシースは、注入チュウニュウホースを閉塞ヘイソクした  
1−3 PC工事コウジ完了カンリョウスミやかに工事コウジ記録キロク整理セイリカカリイイン報告ホウコク     30mm以上、かつホネザイ最大サイダイ寸法スンポウの2.5バイ以上イジョウとする。     c. 荷重計カジュウケイまたは圧力計の許容キョヨウは±2%      ノチ、ほぼ垂直スイチョクて、ブリージングとの置換チカン容易ヨウイ  
工事コウジ報告ホウコクショ する。     ただしコンクリートを十分カタめることができる場合バアイ        以内とする。    にるようにする。また、この注入チュウニュウホースを点検テンケン  
      は、係員の承認を受けてシースを接触して配置ハイチする     3) 導入ドウニュウ応力オウリョク管理カンリ      することで、注入チュウニュウ完了カンリョウ確認カクニン出来デキるようにする。  
      ことができる。     a. 作業サギョウ緊張キンチョウリキ特記トッキによる。  
    ザイリョウ 2−1 セメントは普通フツウポルトランドセメントオヨハヤキョウポルトランド     4) PC鋼材の配置ハイチ許容キョヨウについては、以下イカアタイ     b. 荷重カジュウびの関係カンケイは、緊張キンチョウ計算ケイサンショおよび 4−1    
セメント セメント(JIS R 5210)の規格品キカクヒンモチいることを原則ゲンソクとする。     (JASS 5.20.8C解説)を標準ヒョウジュンとする。        グラフを提出し係員の承認ショウニンける。 コンクリート   1) 設計セッケイ基準キジュン強度キョウド     N/mm2    
          c. PC鋼材コウザイアタえる緊張キンチョウリキは、荷重計カジュウケイオヨ 2) プレストレス導入ドウニュウ強度キョウド   N/mm2    
2−2     部材ブザイ最小サイショウ寸法スンポウ   許 容キョヨウ          PC鋼材の伸びによってモトめ、両方リョウホウの計測値の     3) 使用シヨウセメントの種類シュルイリョウ   kg/m3 以上イジョウ  
ホネザイ 1) ホネザイ日本ニホン建築ケンチク学会ガッカイ建築ケンチク工事コウジ標準ヒョウジュン仕様書シヨウショ     200mm未満ミマン場合バアイ   ± 7mm          それぞれ±5%以内にオサまるように管理する。     4) ミズセメント     以下イカ  
  (JASS 5)」に準ずるものをモチいる。     200mm以上イジョウ600mm未満ミマン場合バアイ   ±10mm       d. 緊張キンチョウ計算ケイサンモチいるPC鋼材コウザイのヤング係数ケイスウは、ミル     5) ソコツホネザイ最大サイダイ寸法スンポウ 砂利ジャリ   mm)    
  2) ホネザイはPC鋼材コウザイマタはシースのアイダ容易ヨウイ通過ツウカするもの     600mm以上イジョウ場合バアイ   ±15mm          シートの値によるか下記カキヒョウアタイモチいてよい。       (砕石 mm)    
  を用いる。               6) スランプ       cm  
      上記ジョウキ許容キョヨウ垂直スイチョク水平スイヘイ方向ホウコウ別々ベツベツ適用テキヨウされ     緊張キンチョウザイ種類シュルイ 見掛ミカけのヤングリツKN/mm2       7) 混和コンワザイ            
2−3 1) 混和コンワ材料ザイリョウは日本建築学会「建築工事標準仕様書     る。     コウよりセンソクバク 191       8) その            
混和コンワ材料ザイリョウ (JASS 5)」に準じてモチいる。     5) PC鋼材の保持ホジテン間隔カンカクは1.5m以下イカ標準ヒョウジュンとする。                            
  2) 混和材料はPC鋼材コウザイ腐食フショクさせたりPC鋼材の付着フチャク     6) シースはセメントペーストのれがないようスイミツミツセイ     e. 緊張キンチョウ記録キロクはプレストレス導入ドウニュウ重要ジュウヨウ資料シリョウ        
  性能を低下させるようなものをモチいない。     ものを使用シヨウし、かつ作業中の破損等は粘着性テープに        なるので、作業サギョウスミやかに係員に提出して承認ショウニン   4−2  
      より修復する。        を受ける。   定着テイチャク工法コウホウ VSL工法コウホウとする。  
2−4 1) 鉄筋テッキン特記トッキオヨ設計図セッケイズによる。     7) シースの接続セツゾクはジョイントシースあるいはスリーブによ     4) プレストレス導入ドウニュウのコンクリート圧縮アッシュク強度キョウドオヨ      
鉄筋テッキン 2) 特記トッキオヨ設計図セッケイズ指示シジのない場合バアイは、JIS G 3112の     って行ない、接続セツゾク防水ボウスイには粘着ネンチャクセイテープをモチいる。     ザイレイ特記トッキによる。   4−3  
  規格品とする。     8) 定着テイチャク背面ハイメンのコンクリートにはプレストレスの伝達デンタツ       PC鋼材コウザイ 使用シヨウPC鋼材コウザイ仕様シヨウ  
      よくし、その部分ブブンアツカイきれつをフセぐため、   3−6        
2−5 1) PC鋼材はJIS G 3536(PC鋼センオヨびPC鋼より線)に     スバイラルキンオヨ必要ヒツヨウによっては補強用グリット鉄筋テッキン   PC鋼材の切断セツダン 1) PC鋼材の切断セツダン              
PC鋼材オヨ 適合するもの又はこれらと同等ドウトウ以上イジョウ品質ヒンシツユウする     配置ハイチする。   オヨ端部タンブ処理ショリ 緊張キンチョウアンカーヘッドの外側ソトガワのストランドを切断セツダン        キゴウ              
定着テイチャク装置ソウチ ものとする。     9) 定着テイチャク付近フキンおよびシースのタカ部分ブブンにグラウトヨウコウ     る。切断セツダン方法ホウホウによってツギシメヨチョウチョウノコす。       面積ダンメンセキ     (mm2        
  2) PC鋼材は有害ユウガイなきずや変形ヘンケイオヨサビなどが     オヨ排気ハイキコウ確実カクジツ用意ヨウイしコンクリートセツ損傷ソンショウ           ヒッパ荷重カジュウ     (KN)        
  なく、表面に有害ユウガイな油そのホカのものが付着フチャクしていては     しないように注意チュウイする。     切断セツダン方法ホウホウ チョウ       コウフク荷重カジュウ     (KN)        
  ならない。     10) PC鋼材のヨチョウチョウはコンクリートあるいはゴミでよごされな     機械的キカイテキ切断セツダン(ディスクカッター) 30mm 5 そ       キョヨウ引張ヒッパ荷重カジュウ              
    3) 定着テイチャクオヨ接続セツゾクはその外観ガイカン形状ケイジョウ検査ケンサし、     いようにビニール、ヌノトウ保護ホゴしておく。       ガスヨウセツダン 50mm     導入ドウニュウ   (KN)        
    強度に影響するようなきずのあるものはモチいない。     11) PC鋼材の配置ハイチ完了カンリョウ、コンクリートセツ先立サキダ係員カカリイン           定着テイチャク   (KN)        
          の検査をける。     2) 端部タンブ処理ショリ   サギョウ緊張キンチョウリキ     (KN)        
3    セコウ 3−1   3−4     PC鋼材を切断セツダンした定着テイチャク装置ソウチボウサビとグラウトザイ      
カタわく工事コウジ 場所バショちPC工事コウジでは、PC鋼材の配置ハイチコウ強度キョウドかつ   コンクリート 1) PC部分ブブンのコンクリートは特記トッキによる。     防止ボウシねコンクリートまたはムシュウ収縮シュウシュクモルタ 4−4  
  硬練りコンクリートセツ緊張キンチョウ、グラウトの注入チュウニュウトウ通常ツウジョウ   工事コウジ 2) コンクリートは調合チョウゴウ設計セッケイオコナない試験シケンりによって     ルで定着テイチャク部材ブザイ端部タンブ被覆ヒフク保護ホゴする。 施工セコウ業者ギョウシャ 業者ギョウシャメイ      
  RC造にはない作業工程があり、以下イカ事項ジコウ注意チュウイする。     決定する。        
      3) コンクリート強度キョウド試験用シケンヨウキョウタイ採取サイシュオヨ養生ヨウジョウ   3−7  
  1) プレストレスの導入ドウニュウによってショウじる部材ブザイ弾性ダンセイシュク       下記の個数を標準ヒョウジュンとする。   グラウト 1) グラウトの品質ヒンシツ その                  
  及び反りを拘束しないカタわくコウとする。           a. 単位タンイスイイリョウはブリージングがスクなく、かつジュウてんに                    
  2) PC部分ブブンカタわく組立クミタテ順序ジュンジョはPC鋼材の配置ハイチ作業サギョウ         ザイレイ 7  緊 張キンチョウ 緊 張キンチョウ 28 予 備ヨビ 合 計ゴウケイ        必要ヒツヨウ流動性リュウドウセイられる範囲内ハンイナイでできるだけ                    
  考慮して行なう。(ハリカタワクわくの片面カタメン解放カイホウトウ         ヨウジョウセイ 予測ヨソクヨウ ヨウ        スクなくし、ミズセメントは40%以下イカとする。                    
  3) セパレーターの位置イチはシースにアタらないよう事前ジゼン         現場ゲンバヨウジョウセイ 3 3 3   3 12     b. グラウトの標準ヒョウジュンヒョウとする。                      
  検討する。       標準ヒョウジュンヨウジョウセイ 3     3   6                          
  4) カタわくのソトオヨびサポートのモリカエえは、特記         試験シケン方法ホウホウ   標準ヒョウジュン                        
  又は係員の指シジによる。ただし、プレストレスを与え     4) ハシラカベとPC部分ブブンとのコンクリート強度キョウドコトなる場合バアイ     コンシステンシー試験シケン JAロート 15〜30ビョウ                      
  る梁、床スラブの型わくのサポートは、その部材ブザイへの     (PC梁下で打継ぎ)は、上記ジョウキ以外イガイ緊張キンチョウにはハシラ部分ブブン     流下リュウカ方法ホウホウ J14 ロート 6〜12ビョウ                      
  プレストレス導入が完了するまで取りソトオヨび盛り替     の圧縮強度も確認する。     膨張ボウチョウリツ 0〜10%                      
  えをオコナわない。     5) コンクリートセツ     圧縮アッシュク強度キョウド   28強度キョウド 20N/mm2以上イジョウ                      
    5) PCハリ多層タソウカイモチいた建物タテモノでは、上階ジョウカイハリのコンク     a. コンクリートのカタめは振動シンドウによりオコナなう。                          
    リート打設の荷重カジュウシタカイのプレストレス導入ドウニュウの完了し        たたき、つつきは補助ホジョとする。     c. 所要ショヨウのコンシステンシーをるための混和コンワザイとし                      
    た梁に分散して支持させる必要ヒツヨウショウじるので、その梁     b. コンクリートみのサイ、PC鋼材コウザイ定着テイチャク鉄筋テッキン        て、遅延チエンケイゲンスイザイ、AEゲンスイザイ流動化リュウドウカザイなどモチ                      
    のサポートの盛り替えは係員の指示により行う。        及び型わくが移動したり、損傷ソンショウしないようにする。        いる。ただし、塩素エンソイオン含有量ガンユウリョウスクないものを                      
    6) 原則ゲンソクとしてPCハリ設計図セッケイズシメされている以外イガイ     c. シースには直接チョクセツシン動機ドウキててはならない。        選ぶ。市販シハン混和コンワザイ使用シヨウするときは、実績ジッセキ                      
    貫通カンツウコウモウけない。     d. 定着テイチャク背面ハイメンのコンクリートはトク入念ニュウネンガタめを       あるものを使用シヨウする。                      
           行なう。     d. グラウトにフクまれる塩化エンカモノブンリョウは、塩化エンカモノイオンリョウ                      
  3−2     e. コンクリートのぎは原則ゲンソクとしてPC部分ブブンオコ        として0.20kg/m3以下イカとする。                      
  鉄筋テッキン工事コウジ 1) 鉄筋テッキン加工カコウ組立クミタテはJASS 5による。        ない。ただし、やむをえず場合バアイ係員カカリイン協議キョウギ     2) グラウトのチュウニュウ
         
         
    2) 鉄筋テッキン組立クミタテはPC鋼材コウザイ配置ハイチ作業サギョウ考慮コウリョしてオコナう。        の上決定する。     a. シースナイグラウト注入チュウニュウマエアラカジ水洗ミズアラいを行なっ                    
    3) 柱頭チュウトウ部分ブブンあるいはハリがPCハリ直交チョッコウする部分ブブントウは、            湿シツジュンカツにしておく。      
    定着具、PC鋼材、チュウトウシュキントウ複雑フクザツカラみあうので     6) コンクリート養生ヨウジョウ     b. グラウトのぜは、ミズ混和コンワザイ、セメント、      
    事前に十分ジュウブン検討ケントウオコナなう。     a. コンクリートは急激キュウゲキ乾燥カンソウオソれのある        膨張剤のジュン投入トウニュウしてオコなう。      
    4) 鉄筋テッキンのガスアツセツカリセツザイ切断セツダントウ発生ハッセイする火花ヒバナ        には、散水そのホカ方法ホウホウ表面ヒョウメンを湿ジュンタモつ。     c. グラウトの注入チュウニュウ迅速ジンソクに、かつハイクチ        
    PC鋼材に直接あててはいけない。     b. コンクリート初期ショキ凍害トウガイけるおそれの        からイチヨウなコンシステンシーのグラウトがジュウブン        
                                 ある場合は適切な初期ショキ養生ヨウジョウオコなう。
         流出リュウシュツするまでオコなう。